J2第10節 vs大宮アルディージャ partido a partido 2020レビュー

2020シーズン

 

夏も盛りになって参りましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。こんな暑い日が続くと、読む文章にもさっぱり感が欲しくなるもの。というわけで前書きはそうめんのように存在感を薄くして、さっさと本題へ移りませう。

 

目次

1.マッチレビュー

スタメンはこちら。

新潟は4人の変更。早川の先発と中島-島田のボランチコンビは今季初。また渡邉-シルビーニョのFWコンビは開幕戦以来となった。堅守の大宮に対し「繋ぐ」意図を感じさせる布陣に。

一方大宮は前の試合から3人の変更。マクシメンコ、ハスキッチの外国人コンビがスタメンから外れた。前節が延期となったため、体力的には万端の状態でこの試合に臨んだ。

 

①15分で仕留めにかかる大宮

立ち上がり15分、大宮は前から強めにプレスをかける。このプレッシャーを新潟はまともに受けてしまい、ボールを落ち着けられずに雑なパスが多くなってしまう。さらに大宮は最終ラインが全員180㎝越えの上、ファビオ不在の新潟の最前線にはターゲット不在。というわけでロングボールを回収し大宮のターンが連続する序盤に。

 

大宮のビルドアップはボランチにボールが渡るとスイッチオン。ボランチから左右に展開することでゲームをコントロールしていった。

新潟としてはボランチに簡単に渡さないようプレスをかけたかったが、最前線の渡邉新太とシルビーニョのところで段差ができてしまい、大宮の左右CB→ボランチへの平行なパスコースが開通してしまう場面は何度も見られた。

シルビーニョがボールホルダーの斜め後ろのコースを遮断したがるため、ボランチに対して他の選手が寄せられると良いのだが、序盤は特にちぐはぐしてしまい、これが押される展開の要因となった。

 

こうして前進した大宮はサイドを起点に突き崩しにかかる。メインは左右CB-CH-WB-シャドーの菱形で連携してSBの裏を突く形。

  • WBが新潟SBを釣り出し、シャドーがサイド奥に流れ込む
  • シャドーがSBをおびき寄せ、大外からWBが背後に走り込む
  • ボランチがインナーラップでサイド奥へ抜ける

サイドで数的優位を作ることで開始直後から敵陣深くに侵入することに成功。これが5分の奥抜の先制点に繋がった。

11分にも決定機。フリーで前を向いたCBからのロングフィードガ新潟SB裏へ走るWBに通り、クロスからフリーの奥抜がヘッド。バーに弾かれはしたが、大宮の狙いが詰まったシーンであった。新潟はこれを決められたら無事死亡するところだった…

 

しかし、90分間プレスをかけ続けるのは難しい、ということで15分過ぎから大宮のプレスが弱まり始める。そして局面は変化していく…

 

②タテパス堅守を穿つ

大宮の前プレが落ち着いたこと、前プレに慣れて落ち着きを取り戻したことで徐々に新潟のターンに。ようやく腰を据えて大宮の守備を崩しにかかる。

 

新潟はビルドアップ時にSHが内へ絞り、SBが大外で高めの位置を取るいつもの形。しかしいつもと違う点も。ボランチは下りて3バックのようになることは滅多になく、大宮の前線3枚の背後に位置し続けた。これによって「CBにプレスをかけてきたら背後のボランチにパス通しちゃうぞ?」でプレスをけん制。

そしてもう一つこの試合に向けての微調整。前線4枚のタスクはDFとの駆け引きではなく、DFとボランチの間で受けることがメインに。大宮のボランチ2枚に対して4人が入れ替わりながらパスを受けることで数的優位を形成し、CBやボランチからの強引なまでのタテパスをバシバシと引き出した。

大宮としてはタテパスを通されるのは嫌だっただろうが、前述の通り前プレをけん制されたことに加え、シャドーのタスクが多くプレスをかけにくかったとも考えられる。ボランチ脇へのパスコースの遮断、新潟ボランチへのプレスバック、新潟SBが低い位置でボールを受けた際にプレスをかける等々…

前プレはある程度捨て、最終ライン5枚で帳尻を合わせればOK!という腹積もりだったのかもしれない。

 

実際、新潟はタテパスを通すまではいいが、その後は手詰まり感。ボールを受けてターンしてもゴール手前で動きが被るような場面が多く、きれいな形でシュートまではいけなかった。いわゆる「3人目の動き」が少ないように感じられ、決定機に至る前に大宮に凌がれてしまった。

しかし、「雨垂れ石を穿つ」が如くタテパスを狙い続け、パスワークから崩して得たCKから同点。強気に狙い続けたことが得点に繋がった。セットプレーでもぎ取れるチームは強い(断言)

 

③最後の一刺しは遠く…

ハーフタイムで大宮は選手交代を行うも、後半も新潟が保持する展開に。50~60分はほとんど新潟がボール保持。大宮はボールを持った際に前に急ぎすぎてしまい、新潟のカウンターを予防するポジショニングに絡めとられてしまった。

 

新潟は前半と同じくタテパス祭り。徐々に複数人が絡む場面も増え、ゴールに近づいてゆく。

また、ボランチ脇以外の狙いも見せるように。SHが大宮の左右CBを釣り出し、背後にできるスペースにFWが入り込む形が増加。

54分にはこの形からマイケルのロングパスを受けた渡邉新太が抜け出し、ゴール前のシルビーニョへラストパス。枠から外れてしまったが、狙いを持った攻撃を繰り広げていた。

 

一方の大宮も徐々に盛り返し、73分にイッペイの投入でさらに圧力を強める。エンジン満タンの戦術兵器を走らせ攻勢を強める大宮だったが、FW戸島がサイドに流れて中央不在となる場面も多く、フィニッシュの形まではうまく持ち込めず。

 

狙いのはっきり分かれた上位対決はドローで終了。互いに課題とする「あと1点」は掴めぬままであった。

 

 

2.試合結果

新潟 1-1 大宮

得点者 新潟 26′ ロメロ フランク
得点者 大宮 5′ 奥抜 侃志

 

詳細なデータはJリーグ公式サイトFootball Labへ。

 

 

3.まとめ

返す返すも新潟の立ち上がりが勿体なかった。落ち着くことができず、相手に簡単にペースを渡して試合を決められかねなかった。そこから盛り返して早めに同点にできた点はよかったポイント。

監督も独特な表現を交えながら序盤とそれ以降についてコメント。

まずはスタートが良くありませんでした。最初の10分だけでしたが、良いプレーができませんでした。“冷たい状態”でスタートしてしまいました。けれども、その10分を過ぎたあとからは、試合を最後まで支配し続けることができたと思います。(中略)今日のチームのプレーには、とても満足しています。明確に成長した姿を示し、目指す方向をピッチで表現できていた。

―アルベルト監督―

自分たちで試合をコントロールするという点では予想していた以上にできていたと感じる。あとは最後の局面だ。

 

  • 組織的守備

この試合ではボールを持たれる局面は長くなかったが、持たれた際の対応が少しずつ良くなっているように感じる。序盤こそ前述したようにプレスのちぐはぐさを感じさせる場面はあったが、前半半ば頃には1枚目の図と同じような状況で新潟のボランチが前に出て大宮ボランチに寄せ、ミスを誘う場面があった。再開後、前からのプレスでハメる場面はあまりなかったが、この試合では数回あり、少しづつ向上しているように思う。

毎回自陣でボールを奪って、ビルドアップから始めて、ではスタートからゴールまでが遠くなってしまうわけで、前線からの守備がハマれば攻撃の面でもラクになる。前線からの守備には組織としての連動が欠かせない。より組織としての質を高め、自分たちのターンを長引かせるようにしていきたい。

 

  • タテパス狙い

ファビオがしばらくいない、ということである程度地上戦全振りにしなければいけないことは予想していたが、あそこまでビシビシ通してくるとは思わなかった。少し前とは全然違うチームのようにも思える。

前節は栃木の強烈なプレスの前に前進すら苦労したが、プレスが弱いときはそれなりに繋げるよね、というのは再開直後の甲府戦同様確認することができた。プレッシャーが少ない中ではあれぐらいはやれる、ということだ。もう1ランク上に行くためには、プレッシャーが強まったときに同様に繋ぐこと、タテパスを通した先の展開を整理することが必要。その先に勝ち切れる強さが見えてくるはず。

未来は過去-現在の延長線上にしかない。というわけで一歩一歩粛々とやっていくのみ。

 

 

連戦は総力戦。辛抱我慢とともに勝ち点を積み上げていきたい。

 

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