J2第26節 vs徳島ヴォルティス 夏休みの宿題はさっさと終わらせる

よくある質問で「夏休みの宿題はさっさと終わらせて遊ぶ派か、遊びまくってギリギリで仕上げる派か」というものがありますね。僕の小学生時代はえらい子だったので前者でした。でも、今の自分がコナンよろしく小学生になったら後者の自信しかありません。レビューにとりかかるのが遅いことからもお分かりでしょう。人って変わるもんですね(泣)

 

 

目次

1.試合結果

新潟 4-0 徳島
得点者 新潟 24’ 戸嶋祥郎 30′ レオナルド 59’ 渡邉新太 88’ 本間至恩
徳島 なし

詳細なデータはJリーグ公式サイトFootball Labへ。
ハイライト動画もどうぞ。

 

 

2.マッチレビュー

スタメンはこちら。

新潟は前節で負傷離脱した泰基に代わりゴメスが久々にスタメン。

対する徳島は主将にして大黒柱、ここまで全試合フル出場の岩尾が出場停止。代わって鈴木徳真が入りました。また前節先発の渡井に代わって野村もスタメン入り。昨年まで新潟に在籍した篤秀が前節2ゴールの勢いのままビッグスワンに戻ってくる、エモい試合でもありました。

 

①押し込んだ徳島、動じない新潟

この対戦では徳島が試合を支配し、新潟がカウンターを狙うというのがお決まりの展開。この試合も御多分に洩れず、試合開始から20分ほどは徳島がやりたいことを表現していきます。

徳島はいわゆるポジショナルプレー。基本的に速攻は狙わず、ボールを奪っても一旦後ろに戻すなどしてポジションをセットした状態から攻撃をスタートさせます。後方は3+2の形でボールを回しながら前方へのパスコースを虎視眈々と狙い、シャドーやFWはディフェンスのライン間や裏でボールを受けようと何度も動き直します。アイソレーション気味の両WBは高い位置を取り、ボールを受ければとにかく仕掛けます。特に左の杉本はキレのあるドリブルで何度も独力で抜きにかかり、新潟の右SB直人との対決は見応えがありました。

これに対する新潟の対応は、引いてブロックを築き上げることでした。4-4-2の形を保ちつつ、FWもディフェンシブサードに入らんばかりに全体を下げます。そして、ボールサイドに全体が寄ることでバイタルを狭め、簡単には通させません。善朗とレオナルドは2ボランチをケアしていいボールは出させません。

 

また、この試合では守備のやり方を以前と少し変更。これまではSHが下がって守備をすることはあまりなく、SBが出る→CBが出る→ボランチがCBに入るというやり方でした。

しかし、これによりバイタルが空くことを警戒してか、この試合ではSHが下がって対応し、ボランチはCBの前に居続けました。これで新潟は中央の強度を高めることに成功し、最終的に中央を崩したい徳島はブロックの前を左右に回しながら穴を探すほかなくなります。

実際、徳島はボールを握って押し込んでいたとはいえ、決定機は少なく、惜しいミドルが2、3本あったくらいでした。前線3枚の動きが合わない場面も散見されました。試合後に監督も選手も「想定通りだった」とコメントした通り、ボールを持たれても問題ないという自信が画面越しに伝わってくるようでした。

 

②ゴラッソから始まる反撃

しかし、守備が安定していながらも新潟が押し込まれ続けたのは、ボールを奪ってからカウンターに繋げられなかったから。ミスが出たことや、徳島のボールを内側に追い込む守備がハマり、狙いを出しきれず。徐々にボールを保持できるようになり、高い位置をとる徳島のWB裏をロングボールで突き出した頃、CKからサチローの超絶スーパーJ2週間ベストゴールゴラッソボレーが決まります。見ればわかります。

 

このゴラッソで流れを引き寄せた新潟。WB裏の狙いは継続しつつも、町田戦のようには攻め急がず丁寧にやり直して攻撃します。そして先制から6分後に追加点。直人が練習していると語っていたクロスからレオナルド。見事なコントロールから冷静に沈めた22歳のエースはぐんぐん頼もしさを増しています。

 

その後もブロックを形成しながら機を見て攻撃に出る新潟。カウンターの際に起点となっていたのはレオナルドと善朗。後方で奪ったボールを徳島のボランチ脇で受けてキープし、カウンターやフリーキックをゲットしてくれました。

序盤よりもこのキープが成功したことで新潟は少しラクになりました。徳島は守備時に両WBを下げて5バックで対応するため、DFの少ないサイドを中心に攻めていきます。

 

徳島は奪われた直後に前線が強くプレスをかけますが、中盤が連動しきれずにスペースが空き、中にできたスペースをゴメスにドリブルで突破されてチャンスを作られるなど、序盤に比べちぐはぐさが見られるようになりました。

このまま2-0で前半終了。ただ、実況が口うるさく言っていた通り、新潟は前節前半を2-0で折り返しながら後半に逆転されており、また前々節も前半を2-0で折り返すも同点になりかねないような内容の後半でした。少し早めの夏休みの宿題に取り掛かる時が来ました。

 

③ブレずに、しかし進化する

徳島はHTで2枚替え。失点に絡んだ石井→田向、鈴木→渡井で3-1-4-2の形に。

こうして前線の人数を増やした徳島は、前半から攻撃に顔を出していた内田に加え、田向も度々攻撃参加。人数をかけてまず1点を目指しました。後半開始直後には篤秀がゴールまで迫りますが枠をとらえず。前線の人数が増えたことでバイタルに少しずつボールを入れられるようになるも、ゴールの目の前にはオレンジの壁。体を張った守備に弾き返されます。

前線の人数が増えたということは、後ろの枚数が減るということ。攻勢を続けたい徳島でしたが、空いたスペースを使われて逆にカウンターを受けるようになります。また、前節の反省を活かしてか、新潟は毎回スピーディーに攻めるのではなく、一旦下げて逆サイド展開など、試合のテンポを落ち着けて丁寧な攻めも見せます。

 

その中で生まれた3点目は、フランシスの強引なまでの突破、新太の豪快に振り抜いたシュートによるものですが、その直前でDFが徳島のプレスをパス交換でいなして前進させ、右サイドを崩してクロスを入れたことが布石になっています。

丁寧なつなぎ→急加速の突破
大外からのクロス→中へ切り込むドリブル

ひとつ前のプレーから緩急をつけたことで守備陣が戸惑い、先手を取れたのだと思います。

その後も徳島に攻められつつもゴールに鍵をしっかりとかけ、引き込んでから一気にアンカー脇を突いて脅威を与え続けた新潟。88分にレオナルドが見事な体の使い方から抜け出して至恩に最高のラストパス、オランダの壁を物ともせず4点目をゲット。徳島のフィニッシュの甘さにも助けられつつ、体を張ってクリーンシートもゲット。ゴラッソと見事な戦いぶりで勝ち点3ゲット。プラネタスワンの輝きが一段と増して見えた夜でありました。

 

 

4.まとめ

素晴らしく気分の良い試合でした。終始チームとして意思統一がなされていて、焦れずに戦った選手たちを大いに讃えたいです。もちろん、岩尾の欠場とHTでのシステム変更がうまく働かなかったことが徳島にとってゲームを難しくしてしまいましたが、それを差し引いても新潟の良さが際立っていたように思います。

課題となっていたゲーム運びも、相手の変化に受け身にならずに戦えていたと思います。前半、後半共に序盤は攻められながらも盛り返していったことがその証です。また、町田戦では一辺倒の攻撃しかできなかったのに対し、この試合では速攻も遅攻も使いつつゴールを奪えました。速攻でゴールを奪ってきた中で、遅攻でも奪えるとなればどんな相手でもかかってこいです。リーグ一の得点力を今後も継続してくれることを願います。

 

上位対戦ばかりの8月シリーズで最高のスタートを切りました。夏休みの宿題を早めに終わらせてしまったら、あとは楽しいことばかりです。勝利という最高の夏の思い出をチーム、サポーターが一体となって作っていきましょう!

 

 

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